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京都で彷徨っている

春の富山でほたるいかの寿司を食べる

デザインあ展」を見に3月下旬の富山に行った。
 
富山は寿司が美味しいらしい、というのは日本海に面した立地を考えれば簡単に想像のつくところではあるけれど、観光サイトを色々見ていると「富山湾鮨」という事で
・1セット 10貫
・値段は定価で2000円〜3500円(税別)
・ネタの全てが、富山湾の新鮮な海の幸
・シャリは米どころ富山県が誇るおいしい県産米 
・富山らしい汁物付き
という縛りでセットメニューを各店がそれぞれ提供する試みをおこなっているらしい。

そういう事なら、なおさら富山に行って寿司を食べないテはないのだけれど、こっちは子連れであるから大人はともかく子供は1人前の寿司食べきれないなぁ、というところで、色々お店を探して向かったのがこちら「廻転とやま鮨」さん。

回転寿司なら子連れでも気兼ねなく入れるし、そうはいっても地の魚を色々出してくれるお店だという事で、美術館をあとにしてホテルにチェックインを済ませてからいそいそと富山駅前へ。

お店の最寄の駅は富山地鉄市内電車の電鉄富山駅エスタ前という電停なのだけど、そもそもこの電停がJR富山駅の目の前なのでどちらからでもアクセスは容易。
広島でもそうだったけれど、路面電車は駅間が極端に短いのでバス感覚で利用できていいなと、普段から道路渋滞で時間通りに来ないバス路線を持つ地域に住む者としては思う。

さて、「廻転とやま鮨」さん。
入店するとタイミングよくカウンターが空いたところだったので、座って早速レーンに手を伸ばしつつ、カウンターの中で握る職人さんにも店内に書かれたお薦めを中心に注文を出していく。

富山の春といえば、ほたるいかだ。
この季節富山に来たのなら、これを食べないわけにはいかない。
妻などは食感なのか風味なのか、何が苦手なのか知らないけれど頑なに食べようともしない。
そういえば広島に行った時も牡蠣を食べない人だし、なんとも勿体無いなぁと食いしん坊目線では思うのだけど、味覚の好みに他人がとやかく言うものではないので控えておく。
 
そのほたるいか、時折レーンに流れているのに興味を示していると、職人さんが「生の物は今レーンに流れてるだけですよ」と言われて慌てて皿を確保する。

生のホタルイカが食べられるなんて、産地ならでは。
初体験のその味は、ボイルしたものより中のワタの液体感が凄くて、噛んだ瞬間ジュワッと口の中にホタルイカのエキスが流れ出てくる感じ。
あんなに液状な食感の寿司はいままで食べた事がなくて、衝撃の体験だった。
 
ホタルイカ、刺し身の次は定番のボイルもあったので食べ比べ。
こちらは酢味噌が乗っていて、ワタと共に濃厚な食感がどっしりと口の中に広がる。
生も美味しかったけど茹でたやつも、まあ間違いない味。
 
このボイルホタルイカは、店長のお薦め3種盛の中に含まれていたんだけど、他の2貫、しまあじサクラマスもそれぞれ美味い。
 
サクラマスなんかは、握り寿司で食べるのは初めてだけど、富山といえば名物「ますの寿司」があるくらいだから産地なのだろう。
食べ慣れた駅弁の、酢で〆られたますとはまた違って、舌の上でとろける脂の乗った身がたまらない。
 
あれこれ寿司をつまんで、そろそろお腹も膨れたという頃合いで、隣のお客さんが注文した「氷見いわし」という単語に反応し即座に同じものを注文。
 
こちらは出された瞬間ガッついて写真も撮ってなかったけれど、キラキラと光った見るからに新鮮そうな身は脂乗りも良くて、最後の最後、幸せな気分で食べ終わる事ができた。
 
富山の魚ってなんとなく冬が美味しいイメージがあるんだけど、3月の末なら気候も比較的穏やかだし冬の魚もまだあるし、ほたるいかもあるしで、ひょっとして初春の富山って最高なのでは?という気持ちで翌日富山駅から帰りのE7系に乗ったのだった
 

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