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京都で彷徨っている

『安珠写真展 Invisible Kyoto ―目に見えぬ平安京―』を鑑賞してきました

日曜日、京都駅ビルにある美術館「えき」KYOTOで、写真家である安珠さんの写真展を見てきた。
『安珠写真展 Invisible Kyoto -目に見えぬ平安京』と名付けられた展覧会、公式サイトの説明によると
風水でいう四神相応に守られた平安京は、生と死が混在し、人々は見えぬ世界を信じていました。情緒豊かで想像力たくましい平安時代の人たちは、儚い命をどう生きぬいたのでしょう。伝承されている物語から平安京を写真で紐解きます
との事。
 
昔ながらの寺社仏閣の多い京都は平安京の時代に思いを馳せる事ができる場所も多々あるとはいえ、今では街中に近代建築が溢れ、完全に当時の空気を感じるのはなかなか難しいもの。
とはいえ、これは私が思うところだけれど、例えば祇園祭の御霊遷しの神事で八坂神社の境内の明かりが全て落とされ、漆黒の闇(もしくは月明かり)のみの空間に身を置けば、当時の人々が感じていた空気と通じる物を感じることができる気がする。
 
そういった、平安京の時代に思いを馳せる事を写真を通して表現された展示。
会場に流れる細野晴臣さん製作の音楽と相まって、会場内の世界観が作られている。
 
丁度この日は作家本人によるギャラリートークが開催されていて、作者本人から直接解説を聴きながら作品を鑑賞するという贅沢な時間を過ごした。
 
美しい京都を美しく撮るという(あえて言うなら)ありきたりな表現ではなく、平安の京都に思いを馳せ、それを写真で表現する数々の作品。
そういう作品群だったので、ただそこに展示された写真を見るというだけより、撮影者の想いや意図を直で聴けて、作品について深く知り考える事ができる貴重な機会だった。
 
表現方法も大型パネルから和紙、金箔、屏風へのプリント、それに映像と多種多様で変化に富む作品たち。
この展示とはクオリティが雲泥の差とはいえ、普段京都を被写体として撮ることの多い自分としては、「京都を撮る」ということについて一歩深く考えるきっかけになった。
 
 
そういえば会場内に撮影可能スペースがあったけれど、鑑賞に集中していて撮ってくるの忘れていた。
展示は美術館「えき」KYOTOにて6月30日まで開催中