京都の舞台芸術の発信地であった京都会館がロームシアター京都として生まれ変わった。
そこに蔦屋書店が入ると知ったのはリニューアルオープンの数日前。
本当に情報感度が低くなったものである。
本屋好きとしては何をおいてもまずは覗いてみなければと、夜子供を相方に任せていそいそと一人訪問。
22時まで開いているというのはとても有り難い。
京都会館といえば、京都市内の子供であれば芸術鑑賞などと称して一度は学校から舞台を観に来たことがある筈の場所。
私個人としては、最後に来たのが10年くらい前のSHAKALABITTSだっただろうか。
今から思えば、固定座席の京都会館みたいなホールでライブなんて、なんでやったんだろうかと思わないでもないけれども、当時はそういう感じの売れ方だったかな、と。
久しぶりに訪れた京都会館。
夜に煌々と灯りが点いた姿はなかなか綺麗なものである。
お目当ての蔦屋書店は、外からは間口がそんなに広くなく、小さい店なのかなと思いつつ中に入ってみれば、それなりに奥行き、というより左右に広がりのある店舗で、併設のスターバックスコーヒーとシームレスな売り場という事もあり、スペース以上の商品ボリュームを感じた。
店に入ってみると、すぐにPenの京都特集号の山。
今号は「ひとり、京都」という事で、このお店の開店時、一番目につく場所に並べるにはうってつけの特集だったのかなと。
奥に進むと、写真集、写真関連、アート関連の平台。ファッション誌も充実。
店内をひと通り見て回ると、写真集、美術、芸術、アートといった分野に力を入れているようで、写真関連の売場にはライカ特集があったり、美術棚には来月からお隣の細見美術館で展覧会もある春画関連書が面陳で置いてあったりと意欲的。
暮らしのコーナーには料理本が充実している印象。
とはいえ、今流行の料理ブロガー本は無しというところにこだわりを感じた。
店の奥の方には京都関連本。
これに関しては、よくぞここまで集めたというくらいの品揃え。
平安神宮のすぐ傍という場所柄、洋書の京都本も充実しているよう。
一方、絵本、コミックや文芸は皆無(文芸雑誌はあったものの)。
当初子連れで行こうかとも思っていたのだが、これは子供にはあまり面白くない店かもしれない。
総じて、ロームシアターに併設という立地を最大限に考慮して芸術・アートと文化分野に特化した店舗のようである。
そういう分野が好きな人にはたまらない店だし、一方文芸・文学方面の本好きにはあまり面白くないかもしれない。
ともあれ、ひとつ京都の文化拠点が新しく誕生した事は間違いない。
西に少し歩けば京都のフィルムカメラユーザーにはお馴染みのPhotolabo hibiさんがあり、さらに西へ鴨川を渡り少し北上すれば恵文社一乗寺店の元店長堀部さんが最近開店させた誠光社もある。
そういう周辺の店も含め、こういう核となる施設ができた事で周辺の町並みがどう変わっていくかという事も楽しみである