京都右往左往

京都で彷徨っている

9月に読んだ本・雑誌・漫画

 

かしましめし(1)

ここ数年のグルメ漫画ブーム。
さすがにここ最近は玉石混淆な感もあり、いささか食傷気味ではあったところに登場したこの作品は、おかざき真里という人気実力実績のある作者による有無を言わせない圧倒的な画力によって、他のグルメ漫画とは明らかに違う「力のある」作品となっていた。

 物語としては友人の自死をきっかけに再会した美大の同級生男女3人がワイワイと宅飲みをするというのが大枠としてあるのだが、その食事を通して誰しもが持つそれぞれの悩みや迷い寂しさが、解決はしなくとも身軽になって、また翌日からの生きる力を得ていく。

まさしく食べる事は生きる事そのものである事を改めて感じさせられると共に、気の置けない誰かと食べるという行為が大切なのだと感じた

かしましめし(1) (FEEL COMICS)

かしましめし(1) (FEEL COMICS)

 

 

 

 きのう何食べた?(13)

現在刊行されている中で、私個人の好みと使い勝手では一番実用的なレシピ漫画も、もう13巻。
いまのところ「小松菜の中華スープ」「たことわけぎのバターポン酢炒め」「大根と落とし卵の味噌雑炊」あたりを実際に作成。
特に雑炊はこの巻の発売日前後に家内が体調を崩していたというのもあって、早速作ってみたのだけれど、とても好評であった

きのう何食べた?(13) (モーニング KC)

きのう何食べた?(13) (モーニング KC)

 

 

 

 舞妓さんちのまかないさん(2)

この巻では主人公で祇園の屋形*1のまかないさんであるキヨと同郷のすーちゃんが見習いから舞妓へと成長していく話を中心に。
芸事の才がなく舞妓になる事を諦めたキヨとは対照的に、すーちゃんの方は天賦の才と人一倍の努力で周りからも将来を期待される存在に。
そんなすーちゃんを嫉妬する事なく見守り、支えるキヨもまた、まかないさんという他人より秀でた部分で屋形を支えている。

この2人のお互いを思う気持ちと信頼関係が読んでいて心地よい漫画。

また、祇園を舞台に芸舞妓の世界の裏側も多少は垣間見る事ができるのが魅力。

とはいえまかないとしての料理はストーリー展開に即して意味あるものが登場する事が主題であり、レシピ漫画としての実用性にはあまり期待できないので、単純にストーリーを楽しむ為の作品なのかなと思う。

それにしても週刊連載は発行ペースが速くて、既に3巻が出ているのだがまだ購入できておらず、追いつくのに必至である

 

 

 猫とごはんと装丁家(1)

この作者は「こどものじかん」の印象が強いので、こういうお色気薄めの作品も書くのかと思いながら読んだが、それはそれとして装丁家を取り上げた漫画は珍しく、そこに猫やらご飯やらほんのりのBL風味を盛り込みつつも主題は一応装丁家の仕事という事でいいのだろう。

むしろタイトルにある「猫」「ごはん」はあくまでもおまけの位置づけに感じた(とはいえ猫は可愛いしご飯は美味しそうではあるのだけれど)。
主要登場人物3人の会話の間やテンポが良くてサクサク読めるのは作者の力量たる所以だと思われ、続刊も購入予定である

猫とごはんと装丁家 (1) (ウィングス・コミックス)
 

 

 

フォトテクニックデジタル2017年10月号

普段ポートレート撮影をいうものをやらない自分としては縁遠い雑誌なのだけれど、4月号に続いて降幡愛さん、それに今号は小宮有紗さんのグラビアがあるというので購入。

そんな訳なのでこの本に対しての感想は「尊い」としか言いようがないのだけれど、たまにはそういった本の買い方もいいじゃない

フォトテクニックデジタル 2017年 10月号

フォトテクニックデジタル 2017年 10月号

 

 

*1:「屋形」という呼び名は自分の中で聞きなじみがなかったのだけれど、所謂「置屋」と同義語らしい。置屋というのは芸舞妓が住み込んで生活をし、そこからお座敷に派遣される場所の事