これまで読書記録を月ごとにまとめてかいていたのだけれど、いかんせんこのところ個別記事を書いている余裕もネタもないので一冊づつ読んだ本を個別にアップする事にした。
そんな訳でまず紹介するのは吉田篤弘さんの「京都で考えた」。
クラフト・エヴィング商會、そして吉田篤弘さんは、読書好きの家内が毎回新刊が出る度に欠かさず購入する作家である。
昨年は東京の世田谷文学館限定で発売された本も、代理で私が買いに行った。
そんな氏の新作はタイトルに京都という名のついたもの。
そして京都先行発売があり、恵文社一乗寺店では作者を招いたトークショーが行われるという事で、家内はいそいそと同店に赴きトークショーを堪能してサイン入りの本を購入し幸せそうに帰宅した。
私も本好きとはいえ、好みのジャンルが彼女とは若干異なるので氏の本を拝読した事はなかったのだが、せっかくなのでこの機会に彼女が読み終わったタイミングで読ませてもらった。
文中、イノダコーヒ*1やら大徳寺の松風、今宮神社のあぶり餅*2など、具体的な場所や商品が出てきて、京都案内の趣が多少はあるのかもしれないが、大半は作者が京都で何をどういうふうに考えているかという内容で、作者が京都でどういう場所に立ち寄っているのかなどというファン心理がもしあるならば、その期待にはあまり応えられないのかもしれない。
しかしこれはまぎれもなく作者が京都に来て何をしているのか、それを頭の中まで包み隠さず書かれたものである。
私はまだ、氏の他の作品を読んだ事はないのだが(さすがにこの機会に一度読まねばとは思っている)、もし氏の作品の愛読者なら著作のあれこれを思い出して、どういう思考経過で数々の作品が生み出されていったかが垣間見えるのではないのかな、と想像した