6月のある日、名古屋に行くついでにひとり旅をしてきた。
初めて降り立つJRの四日市駅前は、先ほどの亀山駅に輪をかけて閑散とした雰囲気。
こちらの方が駅前ロータリーが広いので、余計に寂しさがつのる。
以前はJRと共に近鉄もここに駅があったとの事だが、昭和31年に近鉄の路線ルート変更によって現在の近鉄四日市市駅の場所に移転。
それにつれて街の中心は1kmほど離れた近鉄駅周辺に移ったそうで、それ以降JR駅周辺は廃れる一方だそう。
そんなJR四日市の駅を背に歩く事すぐ、閑散とした駅前においてもそれに輪をかけて異様な佇まいの一角が見えてくる。
三和商店街というここは、近鉄移転前まではたいそう賑わう何でも揃う商店街だったそうだが、今やご覧の有様。
というか、完全に半壊状態で内部は営業店舗もあるのだかないのだか。
調べたところ、今年の1月くらいまでは内部も完全に入れたようだけれど、今回訪問時には一部進入ができないようにされていた。
そもそも行政がなんらか手を講じないと、台風でも来たらいよいよ危なそうな状況に見えるのだが、多分権利者との関係でそんなにうまい事はいかないんだろうな、と推察される。
一部立ち入れないとはいえ、そこもカーテンで塞がれているだけのような恰好なので、その上の隙間からカメラを差し入れていつまで見られるか分からない姿を写真におさめ、それ以外の場所も外から中からひと通り撮影。
今となっては明るい商店街の文字が虚勢をはっているが、天井が抜けているので明るい事に間違いはないのかもしれない。
商店街の入口は数カ所あり、そのうちの一つはすぐ隣のアーケード街に面している。
そのアーケード街に面している入口のすぐ横にはザブングル加藤氏の生家があったそうで、看板が立っていた。
件の報道が出る数日前の訪問であった。
商店街の周囲にも、こちらは営業をされているようだけれど、なんとも味のある銭湯があったりと、「時が止まった」という表現がぴったりの四日市駅前。
とにかく崩壊、もしくは撤去される前に訪れる事ができた安堵感で商店街を後に駅へ戻る。
その途中にあったこのビルも、昔はモダンな外観が目を引く建物だったのだろうけど今やくたびれた雰囲気が物悲しさを誘う。
戻ってきた四日市の駅も、賑やかな当時を思わせる広い空間は人もまばらで、構内で営業していただろう味のある喫茶てらしきテナントもチェーンで塞がれている。
構造的に待合室か土産物売場だったのではないかというスペースはレンタサイクル乗り場になっていて、この駅自体にとどまる需要が無くなった事が感じられる。
改札を通り、ホームへ出ると広大な構内に日本石油輸送のタキが沢山佇んでいた。
奥に停まったDD51や、やってきた特急南紀を見送り、やってきた普通電車に乗り名古屋を目指した。
(つづく)
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