<POPEYE2017年7月号>
特集は「お邪魔します、京都。」
年に1度ほど、HanakoやOzマガジンで必ず登場する京都特集号。
それらは当然、この雑誌のターゲットである女性に向けての物なので、取り上げられるのものの多くはキラキラスイーツ、小洒落た雑貨、お洒落カフェでランチ、木漏れ日差す寺社の境内で自分探し、なのである(一部筆者の偏見を含みます)。
掲載される写真も彩度低め、ハイキー、一言で言うならインスタ栄えしそうな写真たち、なのである (一部筆者の偏見を含みます)。
一方こちらはPOPEYE。
ターゲット層はシティーボーイ・・・シティーボーイってなんやねんって話ではあるけれども、要はオトコ。
オッサンでも若者でもどっちでもいいけれど、男性向けなのである。
そこには緑寿庵清水も出てこないしクロッシェも出てこないし、そうそう「ほっこり」なんてワードも皆無かな。
代わりにあるのはサウナの梅湯であったり中華そばみみおであったりサンボア(それも祇園・木屋町・京都の三店舗並べて)だったり。
勿論HanakoやOzマガジンに載ってそうなお店も載ってはいるんだけど、あくまでそれらも男目線での紹介。
これまでも、多分40~50代の男性を想定ターゲットにしたような雑誌での京都特集はあったけれど、それらはおしなべて想定ターゲット層がそんなのだから高級店だったり一見さんお断りの店を覗く内容だったり、私くらいの世代にはちょっと敷居が高かった。
その点POPEYEである。
もう、待ってましたというところで、松浦弥太郎が好きな京都の庭を案内するし、(しかもその頁では有名無名様々な寺社仏閣の庭を紹介する中で一件コーヒーショップの中庭が混じっているあたりがニヤリとさせる)、くるりの岸田繁はカルネを評して「かったいパンにうっすいハムと玉ねぎ、ベチョベチョのマーガリン。安くて、いなたくて*1、ウマイ」という愛に溢れる表現で絶賛し、観光地じゃない普段着の京都を紹介するのに大手筋商店街を「わざわざ京都来て大手筋か」の一文と共に紹介する。
トドメに、ページを捲って千丸の大衆酒場寿海が出てきた時にはひっくり返りそうになりましたけれども。
文字が細かくてページ数も多くて圧倒的な情報量。
こういう特集を待ってたんだよなぁ、とお腹一杯で読了した
<散歩の達人2017年06月号>
特集は「鎌倉・江ノ電」
年に1~2度ほど、HanakoやOzマガジンで必ず登場する鎌倉特集号。
それらは当然、この雑誌のターゲットである女性に向けての物なので、取り上げられるのものの多くはキラキラスイーツ、小洒落た雑貨、お洒落カフェでランチ、木漏れ日差す寺社の境内で自分探し、由比ガ浜でビーチコーミングなのである(一部筆者の偏見を含みます)。
掲載される写真も彩度低め、ハイキー、一言で言うならインスタ栄えしそうな写真たち、なのである (一部筆者の偏見を含みます)。
一方こちらは散歩の達人。
ターゲット層はどちらかといえばアラサー以上の男女だと思っているですけどどうなんでしょうか?
前述のPOPEYE京都特集に比べれば、まだ女性誌の特集に寄っている感じもありますけれど、読み物豊富でただのお店紹介の羅列にならないあたり、こちらも読みごたえ充分。
また来年の特集も期待しておきます
<いぶり暮らし6巻/大島千春>
今回も手堅く美味しそうな一冊。
ところでこの作品、基本的には主人公の自宅で自家製の燻製を作って食べる話なので舞台設定とかこれまで気にして読んでいなかったのだけれど、
今号には旅行回があって、なんだか特急サンダーバードっぽい形の特急に「0」と書かれた番号のホームから乗車し、向かった先はなんだか私自身が見た事ある気がする湖があって、見覚えのある温泉配湯所があって、浮御堂があって・・・ってこれ片山津温泉じゃないか?と思ってたら、主人公達が泊まるホテルの外観が明らかに自分も泊まった事のあるホテルとそっくりでびっくり(韻を踏んだ)。
という事は、0番線のあったホームはやっぱり京都駅だし、京阪神あたりが舞台地だったんだなぁ・・・と思って他のページを読み返してみたら、これまた見覚えのあるJR高槻駅前の風景が描かれていた。
作者の方は京都精華大のご出身らしいので、このあたりが舞台になっていてもなんらおかしくはないんだけれど、自分自身が勝手に東京近郊あたりの舞台設定だと思い込んでいただけあってちょっと驚きだった。
*1:ところで、いなたいって表現は関西弁?京都弁?なんですね。今回妻に指摘されて初めて気が付いた