Googleマップの経路検索で自宅から2時間半くらいで着くだろうという目論見が、海へ向かう行楽客は思いのほか多く、京都縦貫道の片側1車線区間でずっと渋滞に遭遇し、着いた頃にはお昼前。
まずは道の駅舟屋の里にあるレストラン舟屋で鯛めしの昼食。
腹ごしらえを済ませたところで、高台にある道の駅から車を動かし、海の岸壁に作られた七面山駐車場に駐車。
以前来た時は海岸沿いに有料の駐車場は無かったように記憶しているんだけれど、あれから数年で整備されたようで、安心して停めるところができたのはありがたいばかり。
車を停めて、伊根の街並みを散策。
昔ながらの漁師町の風情、そしてなんといっても日本でここだけにしか無いといわれる舟屋群。
建物の1階がそのまま海と繋がっていて、漁船がそこから直接出入りできるという珍しい作りの建物が立ち並ぶ。
そんな伊根の舟屋の中の1軒に、台湾茶の専門店靑竈(チンザオ)さんがあった。
舟屋の1階、まさに舟が置かれているべき場所にテーブルがあり、海を間近に感じながら台湾茶を頂く事ができる。
まったくの下調べ無しに飛び込みで入ったところ、正直メニューも無く店主と相談で茶葉を決め、会計をするまで価格が分からないなど少々とっつきにくく感じるところもあるけれど、最初の提供と淹れ方の説明のあとはお店の方も店内の別の場所に引っ込まれて、海の音と鳥の鳴き声と、並びの舟屋に住んでいる家族の(主に子どもの)水遊びに興じる歓声を聞きながら、1時間近くポットのお湯が無くなるまで何煎も何煎も、その度に変わっている茶葉の味と風味を楽しみ、時折海辺に立って潮風を感じ、また椅子に戻ってお茶を飲む。
実はこのあと天橋立や舞鶴にも足を伸ばそうかとも思っていたのだけれど、ここで贅沢な時間を過ごしたので満足してしまった。
たまにはこんな休日もいいんじゃない、と思いながら店をあとにする。
靑竈さんのお隣にあるのは伊根で唯一の酒蔵である向井酒造さん。
女性杜氏さんが頑張っておられる蔵だそうで、古代米を使った「伊根満開」というお酒をお土産に買いたかったんだけど、コロナの影響で当面こちらでの試飲と販売はお休みされているそうで残念。
長閑でのんびりとした夏の一日だった