京都右往左往

京都で彷徨っている

高嶺の蘭さん(1) を読んだ

見知った土地が舞台の作品というのは、それだけで作品世界に没入しやすくなるというもので、京都なんかに暮らしていると、そんな作品はそれこそ枚挙にいとまないのであるが、お隣大津市となると、その数はぐっと少なくなる。
 
そんな中で最近刊行された漫画「高嶺の花さん」は、大津市大津市役所近辺が舞台地になっているようである。
 
正確には作中に大津市という記述も無く、出てくる駅名も架空のもの(但し駅名の使われている地名は大津市に実在する町名からとってある)であるが、巻末で作者が舞台となる花屋のモデルになったお店の店名を記しており、またそのお店自身もブログ上で作者が取材に来た事を記していた。
このお店の場所は、私自身某位置情報ゲームで何度も前を通っているのだけれど、いかんせん夜にしか立ち寄らないのでそんなに素敵な花屋があるとは露知らず。
元園芸店員としては一度訪問してみたいのだけれど、生憎日曜がお休みだそうで、私が行くのは難しそうで残念。
余談だけどこのお花屋さんの数軒隣のトンカツ屋も美味しいと話には聞いていて未だ行けずじまい・・・。
 
話自体は、特にご当地感があるものではなく、王道な学園初恋ラブストーリーのような展開で、もしかしたら普段から少女コミックを読みなれている人にはいささか物足りなく感じるのかもしれないけれど、私などはそんなに王道の少女漫画をこれまで読んでいなかったのでむしろ新鮮に読み進められた。
 
所謂「高嶺の花」な少女と花屋の息子の少年の恋物語
話の中に花や花言葉にまつわるエピソードが登場し、過去に花に関わる仕事をしていた経験のある自分としては楽しく読み進める事ができた。
 
続巻も購入予定
高嶺の蘭さん(1) (講談社コミックス別冊フレンド)

高嶺の蘭さん(1) (講談社コミックス別冊フレンド)

 

 

夜の宮川町と花見小路を徘徊する

新しいカメラを買ったら撮りに出かけたいのが人情というもの。

前回は夜の先斗町と宮川町を撮り歩いたけれど、その数日後に今度は宮川町から花見小路あたりを撮り歩いてきた。

305f.hateblo.jp

 

今回は、前回も少し使ったRX100M3に搭載されている手持ち夜景モードで基本的に全て撮影してみた。

www.sony.jp

 

 

まずは川端松原あたりに車を停めて、宮川町を花見小路方面に向けてブラブラと。

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このあたりから花街でいうと祇園甲部のエリアになってくる。

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この写真のみ車を流したかったのでシャッタースピード優先モードで撮影。

手持ち夜景モードはF値やSS、露出補正等ができずjpegでのみ記録されるので、そのへんは割り切って使う事にはなる。

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ここからは再び手持ち夜景モード。

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天狼院書店という本屋、名前は聞いた事があって気にはなっていたのだけれど場所を把握しておらず、こんな場所にあったのか・・・という発見も。

tenro-in.com

22時までやっているようなので、また訪れようか。

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こういう写真って数をこなさないといけない気がするので、また時間があれば撮りに出かけようと思う

 

 

 

SONY デジタルカメラ Cyber-shot RX100 III 光学2.9倍 DSC-RX100M3

SONY デジタルカメラ Cyber-shot RX100 III 光学2.9倍 DSC-RX100M3

 

 

「アサヒカメラ2017年11月号」を読んだ

一線で活躍する写真家の、人それぞれの撮影論を見るのが好きだ。
技術のハウツーもさることながら、その写真家がどんなテーマに惹かれて、その写真を撮るためにどんな手法を取っているか。
いわば写真家の頭の中を覗き見るような文章だったり映像に興味がある。

 

そういった意味で、今号の特集「これがスナップだ」では特集154ページに渡って本当に多くの写真家の多種多様な作品、作風、そして写真に対する想いを垣間見る事ができた。

 

また、スナップ写真の名作写真集の解説や写真家の系譜などは、もしかしたら写真の専門学校のような所でやるような内容なのではないだろうか?
このへんをまとめて学べたようで、写真に関しては独学の自分には有り難い。

 

読んでいて特に、冒頭の森山大道

「削っても削っても、現実は減っていかないしね。深く掘ったって面白くないから。表面をきりなく撮ってる。」
「普通に撮る。それが一番写真かな、と思っているところがあるから。」
などという言葉が、シンプルなようで奥が深いなと思った。

(文中敬称略)

 

アサヒカメラ 2017年 11 月号 [雑誌]

アサヒカメラ 2017年 11 月号 [雑誌]

 

 

PHOTO FORESTに参加した

京都は東山二条にある写真ラボPhotolabo hibiさん。

デジタルはもちろんフィルムにも力を入れておられて、現像・プリントからなかなか手に入りにくいフィルムの購入など、私もよくお世話になっている。

labo-hibi.com

 

そんなhibiさんの主催でPHOTO FORESTというイベントがこの金・土で開催された。

 

烏丸今出川のバザールカフェというカフェの広い庭に、ポストカード・Tシャツ・タペストリーにそれぞれ写真をプリントして野外展示をするというもの。

 

今回、私もタペストリー枠で出品したので、土曜日にお邪魔してきた。

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広い庭に数多くの作品が風に揺れている光景は壮観。

ひとつずつの作品をじっくり見るのもいいんだけれど、全体の空間としてその空気を感じるのがとても心地いいイベントだった。

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会場にいた人みんなが笑顔だったのが印象的。

それは店主ご夫婦の人柄と、普段から写真を楽しむためのアレコレを考えておられるお店に集ったお客との良好な関係が生み出したものなのかもしれないと思いながら、風に揺れる写真達を眺めていた

 

 

新しいカメラで夜の花街を徘徊する

 コンデジを新調した。

買ったのはソニーのDSC-RX100M3という機種。

SONY デジタルカメラ Cyber-shot RX100 III 光学2.9倍 DSC-RX100M3

SONY デジタルカメラ Cyber-shot RX100 III 光学2.9倍 DSC-RX100M3

 

 

 これまで同型機の初代を使っていたのだけれど、使っていくうちにチルト液晶を使いたい場面が多く、またEVFも欲しくなっていたので、中古で箱なしの出物を店頭で見つけた瞬間に買っていた。

 

 

そんな訳で、新しいカメラを手に入れれば撮りに行きたくなるというのが人情というもの。

当面昼間はなかなか撮り歩く時間が取れないので夜の写真散歩に行ってみた。

 

 

向かった先は京都・四条界隈。

ますは先斗町を四条から北へ向かう。

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ひとまずMモード・ISOオート・f2・SS1/80に固定して、都度露出補正をしながら撮影後RAW現像でそれぞれ明るさなどを調整してみたけれど、夜の街撮りでも全然使える感じで頼もしい。

 

先斗町を路地を行き来しつつ木屋町の旧立誠小のあたりまで上って、また下る。

四条に戻ってきたら今度は川端通を下がって宮川町へ。

 

こちらは先ほどの先斗町に比べてグッと光量が落ちるから撮るのが難しい。

それでも夜の宮川町は初めて歩いたけれど、22時を過ぎたこの時間では観光客も皆無に近く、時折飲み屋からの帰宅客の姿と芸舞妓さんの下駄の音だけが聞こえる静かな街並み。

昼間のごったがえす京都にうんざりする向きにはおすすめかもしれない。

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このあたりからカメラの設定でシーンセレクションモードの「手持ち夜景」を試してみた。

何枚か自動で高速連写し、カメラ内で合成をするとの事。

jpegでしか記録されないのだけれど、気軽なスナップフォトなら充分すぎる写りではないかなと思う。

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最後、これは再びMモードでRAWから現像。

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このところ、昼間になかなか撮りに行く時間が取れないのだけれど、このカメラを持ち出して夜のスナップに精を出そうかなと思う。

 

・・・それにしても舞妓さんは恐れ多くてマトモにカメラを向けられないなぁ

 

 

ライカと歩く京都 (京都しあわせ倶楽部)

ライカと歩く京都 (京都しあわせ倶楽部)

 
京都 五花街―祇園甲部 宮川町 先斗町 上七軒 祇園東 (SUIKO BOOKS 157)

京都 五花街―祇園甲部 宮川町 先斗町 上七軒 祇園東 (SUIKO BOOKS 157)

 

 

京都文博で絵画の愉しみ、画家のたくらみを鑑賞

京都国立博物館で国宝展が話題を集める中、同じ京都にある京都府文化博物館でも実は見ごたえのある特別展が開催されている。
 
ウッドワン美術館コレクション
絵画の愉たのしみ、画家のたくらみ―日本近代絵画との出会い―
 
ウッドワン美術館という名前は恥ずかしながら初耳で、最初海外の美術館かと思っていたら、広島県にあるウッドワンという企業が設立した私設美術館だとの事。
 
企業や私人の設立した私設美術館というのはえてして馬鹿にできないもので、例えば昨年以来私も2度訪れた徳島の大塚国際美術館だったり、島根の足立美術館、倉敷の大原美術館、東京では出光美術館ブリジストン美術館など、これらは私人・私企業の資金力によって収蔵品を集めることによって美術品の散逸を防ぐ意味でとても貴重な存在だなと思うのだけれど、そんな中でこのウッドワン美術館というのもなかなかの所蔵品ラインナップで、その中から今回は 横山大観上村松園黒田清輝岸田劉生といった近代日本画の大家の作品がこぞって展示されるとの事。
 
その中でも目玉であり展覧会のキービジュアルにもなっているのが 岸田劉生「毛糸肩掛せる麗子肖像」。
地下鉄や先日行った京博でこのポスターを見た我が子も興味を持ったので、台風近づく雨降るなか日曜に行ってきた。
 
 
展示は思っていた以上のボリュームで、一時間ほどかけてじっくり鑑賞。
子連れでもこういう展示を一作づつじっくり見て回れるのはひとえにびじゅチューンのおかげではないかと。
 
番組で取り上げられた麗子像は今回展示されている 「毛糸肩掛せる麗子肖像」 「 林檎を持てる麗子 」 ではなく、東京国立博物館蔵で重文の「麗子微笑」なのだけれど、両作を見比べてその違いなどを見れる工夫がしてありとても良かった。
 
 
それにしても実物を間近で見ると、肩掛けの書き込みの精巧さに改めて驚愕。
まるで実物のように浮き上がって見えてくるから美術センス皆無の私などはただただ感嘆するばかり。
 
それにしても、美術畑の知識が皆無だったのでこの記事を書くにあたって岸田劉生について少し調べてみたのだけれど・・・調べたといってもとりあえずwikiを見てみただけなのだけれど、それだけでも色々面白い知識が得られた。
 
 
まずは作風について
劉生の初期の作品はポスト印象派、特にセザンヌの影響が強いが、この頃からヨーロッパのルネサンスバロックの巨匠、特にデューラーの影響が顕著な写実的作風に移っていく
とある。
デューラーといえば、やはりびじゅチューンで取り上げられた作家の一人であったが、こうやって関連性がある事が分かるとまた違った見方ができてきそう。
 
 
それから
草土社展に出品された『切通しの写生(道路と土手と塀)』は劉生の風景画の代表作の一つである。

1917年大正6年)、結核を疑われ、友人武者小路実篤の住んでいた神奈川県藤沢町鵠沼の貸別荘に転地療養の目的で居住(結核誤診だといわれる。庭に土俵を設け、来客と相撲に興じた)。1918年(大正7年)頃から娘の岸田麗子1914年1962年)の肖像を描くようになる。

という記述もあった。
 
麗子の肖像は鵠沼で描かれたものなのか、と思うと個人的にグッと親近感が沸いてくるではないか。
 
こちらのサイトを見てみると居住地まで判明しているようで、どうやら現在の江ノ電鵠沼駅小田急鵠沼海岸駅の間あたりがその地のよう。
あのあたり、関東大震災を経て( 劉生自身も震災で居宅の母屋が倒壊し転居した模様)現在は当時の姿を思い浮かべるべくもないが、時期的に江ノ電は開通していた頃なので藤沢や鵠沼の駅を彼も利用していたのだろうかと想像を巡らせるのも面白い。
 
更に調べていると、孫は現在洋画家として活動されているとの事。
肖像画の不思議 麗子と麗子像

肖像画の不思議 麗子と麗子像

 

 孫くらいの繋がりの方が自分と同じ時代に生きていると思うと、これまで自分の中で「教科書の中の人」でしかなかった 岸田劉生という人がぐっと現実味を帯びて感じられて、やはり色々な物事は知識欲を持って調べてみると面白い事があるなと思ったし、今はわざわざ図書館に足を運ばなくてもインターネットを使って簡単に調べがつくので有難いものだと思うのである(オッサン臭いな。まあオッサンなんだけど)

 

 

さてさて、ひととおり展示を見て回って最後にあるのはお約束の売店
ひときわ目を引いたのが麗子像といえば、のあの肩掛けをイメージしたショール。

 

子供もちょっと欲しがったのだけれど、サイズが大人用しかなかったので残念。
それにしても物欲をくすぐる、ツボを突いた商品を販売したものであるなぁ
 

 

岸田劉生―独りゆく画家 (別冊太陽 日本のこころ)

岸田劉生―独りゆく画家 (別冊太陽 日本のこころ)

 
父 岸田劉生 (中公文庫)

父 岸田劉生 (中公文庫)

 

 

「京都で考えた /吉田篤弘」を読んだ

これまで読書記録を月ごとにまとめてかいていたのだけれど、いかんせんこのところ個別記事を書いている余裕もネタもないので一冊づつ読んだ本を個別にアップする事にした。

 

そんな訳でまず紹介するのは吉田篤弘さんの「京都で考えた」。

京都で考えた

京都で考えた

 

 

 

クラフト・エヴィング商會、そして吉田篤弘さんは、読書好きの家内が毎回新刊が出る度に欠かさず購入する作家である。


昨年は東京の世田谷文学館限定で発売された本も、代理で私が買いに行った。

 

そんな氏の新作はタイトルに京都という名のついたもの。
そして京都先行発売があり、恵文社一乗寺店では作者を招いたトークショーが行われるという事で、家内はいそいそと同店に赴きトークショーを堪能してサイン入りの本を購入し幸せそうに帰宅した。

 

私も本好きとはいえ、好みのジャンルが彼女とは若干異なるので氏の本を拝読した事はなかったのだが、せっかくなのでこの機会に彼女が読み終わったタイミングで読ませてもらった。

 

文中、イノダコーヒ*1やら大徳寺の松風、今宮神社のあぶり餅*2など、具体的な場所や商品が出てきて、京都案内の趣が多少はあるのかもしれないが、大半は作者が京都で何をどういうふうに考えているかという内容で、作者が京都でどういう場所に立ち寄っているのかなどというファン心理がもしあるならば、その期待にはあまり応えられないのかもしれない。


しかしこれはまぎれもなく作者が京都に来て何をしているのか、それを頭の中まで包み隠さず書かれたものである。

 
私はまだ、氏の他の作品を読んだ事はないのだが(さすがにこの機会に一度読まねばとは思っている)、もし氏の作品の愛読者なら著作のあれこれを思い出して、どういう思考経過で数々の作品が生み出されていったかが垣間見えるのではないのかな、と想像した

 

 

*1:「コーヒー」ではなく「コーヒ」が正しいというのは豆知識?

*2:そういえば長らくあそこのあぶり餅を食べてない。今度一回子供を連れて行ってやろうか。入る店は・・・どっちでもいいや(笑)