京都国立博物館で国宝展が話題を集める中、同じ京都にある
京都府文化博物館でも実は見ごたえのある特別展が開催されている。
絵画の愉たのしみ、画家のたくらみ―日本近代絵画との出会い―
ウッドワン美術館という名前は恥ずかしながら初耳で、最初海外の美術館かと思っていたら、
広島県にある
ウッドワンという企業が設立した私設美術館だとの事。
その中でも目玉であり展覧会のキービジュアルにもなっているのが
岸田劉生「毛糸肩掛せる麗子肖像」。
地下鉄や先日行った京博でこのポスターを見た我が子も興味を持ったので、台風近づく雨降るなか日曜に行ってきた。
展示は思っていた以上のボリュームで、一時間ほどかけてじっくり鑑賞。
子連れでもこういう展示を一作づつじっくり見て回れるのはひとえにびじゅチューンのおかげではないかと。
番組で取り上げられた麗子像は今回展示されている 「毛糸肩掛せる麗子肖像」 「 林檎を持てる麗子 」 ではなく、
東京国立博物館蔵で重文の「麗子微笑」なのだけれど、両作を見比べてその違いなどを見れる工夫がしてありとても良かった。
それにしても実物を間近で見ると、肩掛けの書き込みの精巧さに改めて驚愕。
まるで実物のように浮き上がって見えてくるから美術センス皆無の私などはただただ感嘆するばかり。
それにしても、美術畑の知識が皆無だったのでこの記事を書くにあたって
岸田劉生について少し調べてみたのだけれど・・・調べたといってもとりあえず
wikiを見てみただけなのだけれど、それだけでも色々面白い知識が得られた。
まずは作風について
とある。
デューラーといえば、やはりびじゅチューンで取り上げられた作家の一人であったが、こうやって関連性がある事が分
かるとまた違った見方ができてきそう。
それから
という記述もあった。
麗子の肖像は
鵠沼で描かれたものなのか、と思うと個人的にグッと親近感が沸いてくるではないか。
あのあたり、
関東大震災を経て( 劉生自身も震災で居宅の母屋が倒壊し転居した模様)現在は当時の姿を思い浮かべるべくもないが、時期的に
江ノ電は開通していた頃なので藤沢や
鵠沼の駅を彼も利用していたのだろうかと想像を巡らせるのも面白い。
更に調べていると、孫は現在洋画家として活動されているとの事。
孫くらいの繋がりの方が自分と同じ時代に生きていると思うと、これまで自分の中で「教科書の中の人」でしかなかった 岸田劉生という人がぐっと現実味を帯びて感じられて、やはり色々な物事は知識欲を持って調べてみると面白い事があるなと思ったし、今はわざわざ図書館に足を運ばなくてもインターネットを使って簡単に調べがつくので有難いものだと思うのである(オッサン臭いな。まあオッサンなんだけど)
さてさて、ひととおり展示を見て回って最後にあるのはお約束の
売店。
ひときわ目を引いたのが麗子像といえば、のあの肩掛けをイメージしたショール。
子供もちょっと欲しがったのだけれど、サイズが大人用しかなかったので残念。
それにしても物欲をくすぐる、ツボを突いた商品を販売したものであるなぁ